ポケモン剣盾 月食ネクロズマについて
こんにちは。ファラと申します。
ついに伝説環境が始まりましたね。皆さん色々な伝説ポケモンを考察していて読んでいて楽しいです。
さて、この記事では月食ネクロズマ(あかつきのつばさ)についての解説と私なりの考察・結論を書きたいと思います。
月食ネクロズマは私が一番好きな伝説ポケモンで、7世代ではスペレやネット大会でずっと使っていました。上位入賞したこともあり強力なポケモンでした。
そんな月食ネクロズマですが、8世代での評価は低く、使用率ランキングも150位圏外です。
(この記事ではシングルバトルを取り扱います)
目次
月食ネクロズマ基本情報
タイプ:ゴースト(霊)・エスパー(超)
種族値:97-113-109-157-127-77 (680)
特性:プリズムアーマー(型破り無効のフィルター、ハードロック)
主要な技:シャドーレイ(霊特殊 特性貫通 威力100命中100)
月食ネクロズマは中速特殊アタッカーに適した種族値をしています。4倍弱点があり悪に極端に弱いですが、トリル下において高火力霊技を押し付けられるのが強みでした。まずは登場時である7世代での月食ネクロズマについてみてみましょう。
7世代では
①一貫性の高い霊特殊技
②特性無視専用Zによる瞬間火力
③ウルトラバースト型とトリル型
④トリルを貼れるトリルエース
月食ネクロズマはノーマルや悪といった苦手なポケモンには無力ですが、それ以外には高火力霊技をお見舞いできるという大きな強みがありました。またルナアーラZにより大抵の伝説ポケモンも一撃。
これら4つが全て噛み合って7世代の月食ネクロズマはトリルエースとして強力なポケモンであり、伝説環境の一角に存在していました。
8世代でどう変わったか
しかし時は流れ舞台はガラル地方。8世代での変更点を見てみます。
- Z技の廃止
- ダイマックスの実装
- 黒バドレックスの登場
- ウルトラバーストの廃止
月食ネクロズマにとって逆風ばかり吹いてます。順に見ていきましょう。
まずZ技がなくなりました。これにより瞬間火力を出せなくなり、トリルターン中に試合を終わらせることが難しくなりました。
そしてダイマックス。これもターン制限のあるトリルパには致命的で、
・相手の耐久が上がるので倒しきれない
・ダイウォールによってターンを稼がれる
・月食ネクロ強み④(トリルを貼れるトリルエース)と相性が悪い
といった不都合が生じました。
強み④と何が相性が悪いかというと、本来はHPがMAXのときにダイマックスをするのが理想ですが、最初にトリルを貼らなければならないため最初のターンはどうしてもダイマックスを使えません。するとダイマックス前にダメージを受け、ダイマックスによる耐久上昇の恩恵をあまり受けられずトリルエースとしての役目を果たしにくなります。
以上二つから、ステロ撒いてトリル貼ってネクロで無双!がほぼ不可能になりました。
そしてとっておきの逆風が黒バドレックスの登場です。
<やあ
種族値:100-85-80-165-100-150 (680)
このポケモンは月食ネクロズマとタイプが同じで、特殊型で、攻めの役割が全く同じで、その上月食ネクロが欲しかった要素を詰め込んだかのような性能をしています。高いS、高火力霊技、特性による抜き性能の高さ、何これずるい。
このポケモンの登場により、高火力霊技での制圧という月食ネクロズマの唯一性は失われました(ルナアーラとは火力と半端なSで差別化可能だった)。むしろトリルやステロの火力補助というお膳立てが必要な月食ネクロよりも、その必要がない黒バドレックスの方が強いのでは?となる始末です。
それならネクロズマの真の姿、ウルトラネクロズマで戦えばいいじゃん!と差別化を図ろうとすると、ウルトラバーストできなくなりましたのお知らせ。ふー
(黒バドレックスについては公式を許してないです、ほんとに。なんで登場した次の作品で、タイプが全く同じで同じような攻め方をしてしかも使いやすいポケモンを出すんですか、月食ネクロ泣いてますよ。せめて物理にするとかタイプ変えるとかなんかあったでしょ...。悲しいなあ)
逆風はまだあります。今度は対戦環境の話です。7世代との変化は多くありますが、月食ネクロにとってつらい点をまとめます。
まず一番はウーラオスの登場です。このポケモン、選出画面でタイプがわからないのもそうですが、何より受けづらいのが困ります。月食ネクロの弱点である霊と悪はともに悪で半減できるため、これまでは引き先として悪タイプを採用すれば事足りたのですが、ウーラオスは格闘も持っているため、悪タイプでは対応できません。すなわちネクロが苦手な相手からの引き先を新たに用意する必要がでてきたわけです。
次にイベルタル。このポケモン7世代まではそんなに多くなかったのですが、8世代ではダイマックスとの相性がめちゃくちゃよくて数を増やしたポケモンです。ほぼ特殊型しかいないからわかりやすくて助かるけども。もちろん月食ネクロズマは勝てません。不意打ちやめて
さらにそのイベルタルが強すぎるってことでその対策としてバンギラスが増えました。もちろん月食ネクロズマは勝てません。
...つらすぎでは?
今度は強化された点を見てみます。
- メテオビーム、竜の舞、こらえる、みらいよち、コスモパワー、ワイドフォースの習得
月食にとってメテオビームは有用そうですが、明らかに弱体要素と釣り合ってない。これだけ?そうか...
- 一貫性の高い霊特殊技 → 黒バドレックスに株を奪われる(黒バドレックスとの差別化が必須)
- トリルを貼れるトリルエース → ダイマックスと相性悪い
- Z技の廃止とダイマックスの実装 → トリル下での制圧が難しい
- ウルトラバーストの廃止と黒バドレックスの存在 → S上げて上から殴る型(ボディパージ型)の否定
- 環境に悪タイプが増えた()
- メテオビームの習得
厳しいことしか書いてない。いやーひどい。
とはいえ霊特殊技を高火力で撃てるのは依然強力であり、この強みは十分採用理由になり得ます(黒バドレックスとの差別化は必須ですが)。
以上を踏まえて8世代で月食ネクロズマが活躍できる型を考えました。今回私が考えるにあたって特に意識したのは次の3点です。
- 黒バドレックスとの差別化として、耐久振りのトリル型がよい(それ以外だと黒バドレックスの劣化になりかねない)
- ダイマックスせずとも火力を出せるようにする(強み④を活かすため)
- 環境TOPの悪タイプであるバンギラスに勝てるようにする
8世代の月食ネクロズマ結論
月食ネクロズマの強みを生かしたHCトリル型。性格は冷静、個体値は6V。物理技を採用しているのでAに下降補正はかけません。Sもバンギラスを抜きたいので個体値は31です。
技に関して、メインウエポンであるシャドーレイは確定。
はやいポケモンやダイジェットが蔓延している8世代の環境において切り返しやギミックの一つとしてトリックルームは有用なので採用。
環境で最も多い悪タイプであるバンギラスへの打点としてかわらわりを採用しました。(ネクロズマが唯一覚える格闘技です)
H252バンギラスに対してのダメージ
かわらわり 56.0~67.6%
ダイナックル 67.6~81.1%
これにより選出画面にバンギラスがいても恐れずに月食ネクロズマを選出できるようになりました。確定こそとれませんが、対面時は交代際のメテオビームなどでバンギのHPは削れているので、上から倒すことが可能です。バンギラス対策で入れたこの技ですが、ダイナックルを積むことによりラッキーも突破することも可能です。また壁を破壊できるので、壁構築に対しても抗うことができます。
最後に、ネクロの長所であった「自身でトリルを貼れるトリルエース」がダイマックスと相性が悪い点を解決するため、ダイマックスせずともエースになれるようにメテオビームを採用しました。
この型はトリル始動役兼特殊エースの役割を残しつつ、バンギラスやラッキーといった特殊受けを突破できることが特徴です。月食ネクロズマを上記二体で止めようとしてくる構築に強く出ることができます。
黒バドレックスとの差別化
耐久力の差の例:陽気ウーラオスのふいうち
-> 83.8~98.5% 確定二発
-> 166.8~198.8% 確定一発
ルナアーラとの差別化
- 火力
- 対バンギラス、ラッキー性能
この月食ネクロズマを使用した構築についても書いてますので、良ければご覧ください。
この記事が月食ネクロズマの使用率上昇、型開拓の助けになれば幸いです。
月食ネクロズマ写真集
最後に月食ネクロズマのキャンプでの様子と瓦割りを打とうとしている姿をご覧ください。
月食ネクロズマくん動きがおもしろい。腕(?)だらーんとしてるとこ初めて見ましたよ。
それでは
追記等
2021/8/22:箇条書き等で見やすいように直した。ウーラオスの項の修正。他言い回しの変更